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第167話

ぎゅうっと立花さんの首に抱きついて、腰が揺れた。 「ごめんなさい。自分勝手でごめんな――んっ」 喋るなと、立花さんの唇で塞がれる。 でも、そんな啄むような、俺の唇を撫でるような優しいキスじゃ、――俺の恐怖は拭えない。 「もっと、お願いします」 強請ったら、立花さんが呆れたように溜息を吐く。 「どうなっても知らないからな」 荒々しいキスをしながら、今度は爪で思いっきり摘ままれ俺は切ない悲鳴を開けてしまった。 足に負担を掛けないように思っても、すぐに腰が向けてしまって座りそうになる。 自分で慣らさないとと、指を入れようとして戸惑う。 自分で自分の中に入れるのをこの人に見られるのってそれって立花さんが嫌なんじゃないかな。 すると立花さんはサイドテーブルに置いてあった薬の袋から何か取り出すと俺の指と立花さんの指で掬いあげた。 傷口用の軟膏だったらしく、そのままつぷっと音を立てて侵入してきた。

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