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第177話

そのままパソコンを乱暴に閉じると、真っ赤になって泣きそうな榛葉を腕に抱きながらベットに飛び乗った。 「隣で寝るだけで良いんだな?」 榛葉が強請ってるのはそれだけじゃないと分かっていてそう聞く。 榛葉はとうとう耳まで真っ赤にして泣きそうな顔で、俺を見上げる。 「意地悪言わないで……」 意地悪なのはどちらだ。 そんな可愛いことしか言わない唇に、お前が言う酷いことを溢れるぐらい注いで乱して――俺の動きや指先で感じさせてやりたい。 「足っ」 「今は痛くない」 脚はもう日常生活を送るぐらいなら平気だ。 医者にはまだ安静にと言われていたが、そんなにじっとしていたらこいつが心配しかしないのだから、動いていた方がマシだ。 「で、どうしたんだ?」 「こ、珈琲」 「ああ」 「珈琲飲み過ぎたのか、眠たくないんです」 「……」 カフェインの取りすぎて興奮しているから眠れないとか、お前は小学生か。

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