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第178話
そんな嘘、騙されるわけはないけれど。
何故か必死に縋りつく榛葉を、蔑になんかできるわけもなく。
喜んで頂くことにする。
「もう珈琲を飲むなよ」
くっと笑うと、榛葉は腕で顔を隠して真っ赤になりながら頷く。
顔を隠しても、耳まで真っ赤なのだから意味はないのに。
優しく服を脱がしていたら、榛葉が自分でボタンを外しだしたのには、流石に眉を顰めてしまった。
脱がすのが楽しみだから、と言いたいわけではないが、今まで積極的どころか、この行為が俺のせいで半ば恐怖でしかなかった筈なのに。
あまりに快楽に素直で従順過ぎる。
それを今は問い詰めることはせず、ただ指を絡ませて、肌を引き寄せて。
唇を寄せあい、ベットに沈んで行く。
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