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第185話

Side:立花 「で? 俺の榛葉にそんな態度続けるならば、お前を出入り禁止にするが?」 「俺が出入りしない方がこの家は危険でしょ? それにあの子は危う過ぎる。なぜ、危険な藤宮の電話一本で、優征がこれほど守っていたのに飛びだせたのか」 ……それは、俺に信頼が無かったのもあるかもしれないな。 あの時は、力でねじ伏せていた。 「最近、榛葉が夜中に泣いて飛び起きる」 煙草を吹かし、緑に吹きかけながら静かにそう言う。 飲んでいたグラスの氷がカランと溶けて、アルコールの匂いで気分は悪くない。 「榛葉くんが?」 「ああ。毎晩だ。抱き締めて髪を撫でてやると安心して寝るが、毎晩だ。ああやって、榛葉の不安を掻き立てるのは、止めてもらおうか。あいつの心は今、不安定だ」 俺の言葉に、やっと寒田が状況を理解したのか視線を泳がせた。 今日の寒田の態度が逆効果だ。榛葉はまた、自分の行動を恥じて落ち込むだろう。

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