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第190話
Side:榛葉。
首輪の違和感よりも、不自然に思われないように一人で風呂に行こうとしたのに、立花さんは意地悪で愉快そうに俺を見て笑う。
もしかして、気づいているのかもしれない。
「ズボンを脱げ」
やっぱり、気づいている。
気づいていながら、そんな意地悪を言うんだ。
「一人で入るので、すいません」
「榛葉。これは命令だ」
いつの間にか、立花さんは首輪の電流のスイッチを持っていた。
「こんな明るいところで酷いです。無理です」
「ふうん」
立花さんは、手に持っているスイッチのボタンを押そうとしたので、慌てて駆け寄って両手でソレを阻んだ。
「道具は止めてって約束したのにっ」
「今回は自分から首輪を嵌めていたけど?」
「ビリって痛いから本当に、やだ」
立花さんは、今にも羞恥から泣きだしそうな俺を見て、スイッチをテーブルに置くと、今度はズボンのベルトに手を掛ける。そっちは抵抗したら、不機嫌になっちゃうかもしれないし、今日も眠れないかもしれないから――立花さんを拒みたくなかった。
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