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第216話
「あ! あ! あああ!」
いきなり入って来た指二本の質量に、悲鳴が漏れる。
声を殺せる余裕なんて、俺にはもう何処にも残っていなかった。
恐怖を与えられるのも辛いけど、ただただただ延々と焦らされて快楽をじわじわ与えられるのも、――辛い。
指は俺の中でばらばらに動いて、俺を翻弄させていく。
「銃が怖くて喘いだのか? 気持ちが良かったからか?」
「っで、っない」
「聞こえない」
「――っ」
自分であのDVDを見ていないし観たくもないけれど、俺は気持ちよさそうな顔をしていたのかな。
立花さんは、俺のあの情けない姿を見てしまったんだ。
「いちいち、泣くな」
「泣いて、なっ」
「じゃあ、言え。今、一瞬だけ違う事を考えただろ?」
「っ」
「指を増やして中を掻き混ぜて、頭を真っ白にしないと俺以外の事を考えるのか」
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