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第217話
「ひっ」
指が増えて、その圧迫で前に倒れ込む。
すると、お腹に手を回して、立花さんに無理矢理腰を上げさせられた。
「だって、俺」
酷い、もう限界だ。
「怖かっただけなのに、気持ちよくなんてなかったのに、なんで、俺のこと、そんな風に言うの」
俺だって、確かに馬鹿な行動だったけれど、馬鹿なりに恐怖でトラウマ作ってる程度にはあの事件はトラウマになっている。
なのに、そんな、言葉で俺を辱めないで欲しい。
「お前をアイツらに見られたからだ。――一生あいつらを、許さない」
「た、ちばなさっ」
「お前も、一生離さない」
そ、んな、
そんな言葉。
「立花さんっ」
「何だ?」
「最近、立花さんの言葉や行動が俺、う、嬉しくて、心が温かくなります。立花さんは――変わってくれてるんですよね。俺がバカだから、きっと貴方が大人になって成長してるんだ」
「――」
ビデオを、不機嫌そうにベットサイドに置く。
勿論録画モードのままだ。
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