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第221話
や、優しい。
そう言えば、前にカーテンの奥へ逃げた俺に、そうやって薬を塗ってくれたことがあるけど。
確かに下半身は今、激痛だし足とか筋肉痛みたいに重いけど。
「今、ひりひりしてるから染みます!」
「ヒリヒリしてるから塗るんだろ」
「は、恥ずかしい」
「散々恥ずかしい格好をさせたし、ビデオにも撮ってある。今さらだ」
だ、だって。
それでも恥ずかしいと、耳まで真っ赤になった俺に、立花さんは枕を押し付けて来た。
「恥ずかしいなら見るな」
自分で塗るのはもっと恥ずかしいし。
お言葉に甘えておこうかな。
「……」
お願いします、か、すいませんか、どんな言葉を言うのが良いのか考えていたら、クリームがひんやりと肌に触れた。
昨日は、俺も合意だったし確かに激しかったけれど、立花さんだけこんな甲斐甲斐しく世話しなくていいのに。
でも、嬉しいかも。
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