Side立花　優征 榛葉の発言に、有頂天になったと同時に心がとてつもなく怒りを感じた。 急な言葉で、心の準備が出来なかったこともあるが、そんな言葉が何故俺に、と思わず眉を潜めてしまった。 例えば、だ。 誘拐されたり監禁されたモノは、防衛反応でその犯人を無意識に好きになってしまう場合がある。 それで榛葉が俺を好きになったというならばまだ理解はできる。 今までしたことと言えば、浚ったその日に無理矢理抱いて監禁。 部屋の隅で震えて泣くほど、俺を怖がっていた。 熱だって出したし、俺にもっと優しくして欲しいと涙を流して懇願だってした。 佐之助の時だって、榛葉をダシにアイツをおびき寄せて悪事を暴いたりした。 アレは、榛葉の為だが、結果的には榛葉を浚われ危険な目に合わせてしまった。 俺は確かに榛葉を離したくない。 だから、榛葉のその告白に満足すればいい。 これで俺のモノになるのだから。