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第226話

「ゆかりさんの日記らしいです。生前、あの方は筆がマメでしたから、榛葉くんに渡していると思ってらしいですよ」 「それを見てどうしたかったんだ」 「さあ? もう少し良い気持ちにさせないと吐かないですかねー」 「……お前たち、まだ関係があるのか。気持ち悪い」 菊池は――ゆかりの護衛に任務されるまで佐之助の『色』だったとゲスな野郎たちから聞いたことがある。 元々、寺の坊主だった菊池が、佐之助がその寺に訪問して来たとき、人妻を連れ込み逢瀬していたのを見られ――寺を破門。 その度胸を佐之助に買われたとかなんとか。 調べた寒田もそんなことを言っていた気がする。 「お金がもらえるなら自分の身体ぐらい安いですよ。それに私は抱く側だからねー」 「どちらでも気持ち悪い」 だが、そんな惰性で生きてきた男が、バーさんの下で真面目に仕えて今みたいに仕事が出来る男になっているのは、信じられない。 「そんな事言って――自分は榛葉くん抱くのに。自分は特別だって思いこみ過ぎですよ。あ、そう言えば榛葉くんは?」

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