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第228話
Side:榛葉
「えー。あんな傲慢野郎、何処が良くてまだ一緒に住んでるの?」
金髪の髪を揺らしながら、リューさんが心底不思議そうに俺の顔を覗く。
ベットで呆然と座り込んでいた俺を、――立花さんは置いて行った。
置いて行かれた事もだけど、やっぱり俺の告白をあんなに迷惑そうな顔された事が一番堪える。
嘘だったのかな。
あの撃たれた夜、俺と立花さんに流れた優しくて甘い時間。
「一緒に住んでいるのは、俺がトラウマで此処から離れられないだけです」
「あの事件のせい? じゃあ、立花が好きだから、じゃないんだー?」
リューさんはテーブルの上にドーナツ屋の箱を置くと、上を開いて何個か皿に取り出した。
「……俺は、多分、立花さんが好きなんだと思います」
自覚はした。
だけど、嫌われているとは認めたくなくて涙が込み上げてきた。
「あのね、本当にあの男、良い奴じゃないよ。止めた方が良
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