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第230話

俺の告白を露骨に嫌そうな顔で見た立花さんを思い出すと――泣きそうになる。 「でもまあ、しょうがないよね。榛葉さんの顔見てたら、俺が何を言っても心を決めちゃってる。――彼を選んだら、この先きっと良いことないよ」 まあいいか、と言いながらもリューさんは俺に大きな釘をさす。 彼の人柄、職業柄、そして不器用な感情表現から察してもきっと穏やかじゃすまないんだろうなって俺も分かってる。 でももう、きっと止まらないんだ。 「それでも、もう自分を不幸だと嘆くことはしませんよ」 にっこりとを安心させようとして言ったのだが、リューさんは顔色を変えた。 「だってよ、緑社長」 下の名前で寒田さんの名前を呼ぶと、寒田さんが廊下に立って難しい顔をしていた。 俺の気持ちを聞く為に、そこで――聞き耳を立てていたのだろうか。 ゆっくりと俺に近づくと、神妙な顔つきで言う。 「ゆかりさんから君宛の本当の手紙を――預かっている」

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