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第243話

「いや、初めて言われただけだ。それより、――お前も食べろ」 勝手に甘いモノ好きと認定されてしまったが、別に好きではない。 が、今日から好きになってやっても構わない。 だが、全部だべろと言われたらきっと無理だ。 甘いものは得意ではないからな。 ケーキの上の苺を手に取り、榛葉の唇に押し付ける。 すると、榛葉が唇を開いて齧りついた。 「美味しいです」 笑う。 今朝、俺は榛葉が伝えてくれた気持ちを蔑にしたのに。 それで目を腫らさせたのに。 組み敷いて酷いことを何度もして来たのに。 それでも、その唇が俺を好きだと言葉を発した。 怖いかから守ってくれるものが居れば誰でも良いのだろうというという、依存からだ。 榛葉は俺の手の苺を二回目で指ごと平らげた。 カチャンとフォークを皿に落とすと、榛葉は俺を見る。 「い、今から言う事を怒らずに最後まで聞いてくれますか」

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