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第244話

「善処する」 そんなにすぐに俺がカッとなって怒るわけもない。 そういうと、安心したのか少しだけ胸を撫で下ろした榛葉が俺を見る。 「今朝、今朝俺が告白した言葉は――忘れて下さい」 こつんと、頭の上にボールでも落ちてきたのか、一瞬何を言われているのか分からなかった。 「は?」 「できれば、忘れて欲しくはない、けど。でも今の俺じゃあ、やっぱり説得力もないし――もっと、男らしくなって守って貰わなくても自分の力で頑張りたいなって」 「……忘れるつもりはない」 本心では無くても、ついぽろりと言ってしまった本音だとしても。 俺にお前が言ったと言葉忘れてたまるか。 「じゃあ、返事は保留でお願いします」 「……」 返事が保留で良いと言うのは、どう言う意味と意図があるのか分からず、思わずじっと見てしまう。 「ゆかりさんからの手紙を、今日拝見しました」

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