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第252話
戸惑う俺に、彼は優しい快感をくれる。
包丁を見て萎えてしまった中心に、やわやわと指先で握る優しい快感。
苺を手に取り、――赤く尖った胸に押し付けてくる。
「ひ、ゃっ」
びくびくと身体を仰け反らせたら、堅くなった中心を、立花さんのお中へ押し付けてしまう。
苺の潰れて擦れていく快感に、果汁がお腹を伝って太股に落ちていくのを目を閉じてやり過ごす。
でも、――唇を優しく啄まれてしまうと、その甘さに酔った。
ネクタイを左右に開き、千切ると――立花さんが嬉しそうに笑った気がした。
悪い人だ。
逃げなきゃ。
逃げなきゃなのに。
甘いキスで、罠を仕掛けてくる。
逃げないように両手を離してくれなくて。
「んんっ」
肩を甘噛みされて、中心を強く握られると、声が漏れた。
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