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第256話

Side:立花優征 苺まみれのくせに、どこもかしこも甘いくせに。 榛葉が俺の囲いから離れていく。 自分で成長し、俺の手元から離れていく。 望んだことだったが、閉じ込めてしまいたい。 腑抜けのままでも、もう閉じ込めてしまえばいいとさえ思う。 言葉で安心なんてさせてやらない。 言葉をやらないことでまだこいつを繋ぎとめてやる。 「あっ もっ、うっ」 「何だ」 「動かないでっ」 正常位でキスを交わしながら深く交わる。 大きく足を開かせた時の、羞恥で頬をじんわりと染める榛葉を見るのが楽しい。 顔を背けるのを、顎を掴み正面からとらえると、恥ずかしそうに瞳を潤ませるのも堪らない。 今日は、いつもの何倍も優しく抱いてやるつもりだったが、 どうやらそれも、煽って来る榛葉のせいで無理だろう。

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