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第259話

Side:愛沢 榛葉。 いつから、だったかな。 立花さんの回りの空気が、ピリピリして張り詰めていたピアノ線みたいな鋭さがなくなった。 ふわふわもこもこな、安心して温かい空気になってきている気がする。 自分でもびっくりするぐらい、家に帰るのが楽しみなんだ。 それに、一人で出かけてもいいってのが信用されてるみたいで嬉しい。 藤宮さんの話は確かに怖かったし、――今思い出しても震えてしまうほどトラウマだけど。 彼には生きて、自分がしたことを反省して欲しかったな。 自分が警官でありながら、ヤクザと繋がって市民を危険に晒す拳銃を購入したこととか、――俺の事はそんな事件に比べたら小さなことだけど、でも。 彼に反省する時間を与えて欲しかった。 そんな事を言えば、きっと立花さんたちは俺を平和ボケだと呆れてしまうだろうから胸に留めておく。 俺も自分の甘い考えを見直すきっかけにもなれたし。

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