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第268話

「え、あ、――あのこれは」 気づけば俺も真っ赤になっていた。 あ。 そうだ。 立花さんも、熱があるわけでも、 迎えに行く時は俺ももう少し大人になるか怒っているわけでもなく。怒っているわけでも拗ねているわけでもなく。 その表情は・・・・・・照れてる? 「あの、・・・・・・訪問美容師がいつ復帰できるか分からなくて。訪問美容師してた時に、意外と着物を着たいって方が多かったんです。毎日着たいって方もいました。旦那さんの前では綺麗なままで居たいとか。あとは記念日や行事で着たいとか。だから資格取れたらとってみたいな、って」 「そうか」 「でも、一番は、自分でゆかりさんの着物を着たいからです」 立花さんに初めて此処に連れて来られて、着ろと言われた色打掛。 あれを、自分でちゃんと着てみたいなって思うんだ。 もちろん、服に着られるような今の俺では無く成長してからだけど。 「今日、専門学校の説明会も行ってきましたよ。俺は訪問美容師をしていた経験があるので試験は面接のみみたいです」

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