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第304話

忠誠を示すかのように。 敬愛を示すかのように。 ――自分の全てを捧げるように。 最初は足、そのまま手と唇を動かし、膝、太股に流れるように口づけを落とし、そして首筋に唇を合わせた後、立花は耳元まで唇を寄せて小さく呟いた。 微かな震える声で、榛葉に最上級の愛の言葉を囁いた。 みるみる榛葉の顔が真っ赤に染まったかと思うと、今度は大粒の涙を瞳に浮かべ、そして立花の胸に飛び込んだ。 そのままもつれる様に、ベットへと倒れ、榛葉の打掛に立花が手を伸ばす。 堅く結んだ結び目を、軽々と解き、しゅるしゅると絹擦れの音を立てながら――榛葉は一枚一枚暴かれていく。 最初の日は、無理矢理依服を引き裂き、ボタンが飛んだ。 あの日を消すように。 丁寧に一枚一枚、脱がし、床に落とす。 恥ずかしいと感じながらも、榛葉も嬉しくて――白い肌を赤く染める。 何度もキスを交わしながら、絹擦れの音と、二人の荒い息が窓を曇らせていく。

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