303 / 348
第304話
忠誠を示すかのように。
敬愛を示すかのように。
――自分の全てを捧げるように。
最初は足、そのまま手と唇を動かし、膝、太股に流れるように口づけを落とし、そして首筋に唇を合わせた後、立花は耳元まで唇を寄せて小さく呟いた。
微かな震える声で、榛葉に最上級の愛の言葉を囁いた。
みるみる榛葉の顔が真っ赤に染まったかと思うと、今度は大粒の涙を瞳に浮かべ、そして立花の胸に飛び込んだ。
そのままもつれる様に、ベットへと倒れ、榛葉の打掛に立花が手を伸ばす。
堅く結んだ結び目を、軽々と解き、しゅるしゅると絹擦れの音を立てながら――榛葉は一枚一枚暴かれていく。
最初の日は、無理矢理依服を引き裂き、ボタンが飛んだ。
あの日を消すように。
丁寧に一枚一枚、脱がし、床に落とす。
恥ずかしいと感じながらも、榛葉も嬉しくて――白い肌を赤く染める。
何度もキスを交わしながら、絹擦れの音と、二人の荒い息が窓を曇らせていく。
ともだちにシェアしよう!