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第305話
Side:愛沢 榛葉。
全部脱がされ、立花さんが荒々しく上着を脱ぎ捨て覆いかぶさって来る頃には、もう涙が溢れて止まらなかった。
気持ちが溢れて溢れて、そして立花さんが本音を吐露してくれたせいか、喜びで身体がいつも以上に反応している。
太股を撫でる指先に、服を脱がす優しい手つきにさえも。
もう止まらない。
ぴりぴりと快感で痺れて、何も考えられなくなる。
そうか。
優しすぎるのも――酷いことなんだ。
「立花さん、も、意地悪しないでっ」
ただ、服を脱ぎ、唇を交わすだけで満たされるほど今日も自分は穏やかではない。
もっと。
全てが欲しい。
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