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第315話
「お仕置きは此処が良いか、ベットがいいか」
「うーわー。だって怖いから! 優征が怖いとつい呼んじゃうんだよー!」
『怖い』
それは、俺と優征がまだ心が擦れ違っている時、俺が優征を拒絶するのに使っていた言葉だ。
だって、本当に怖かった。
でも両思いになった今、俺と優征は恋人なので対等なのだ。
だから、敬語を止めるって約束の元、名前で呼ぶように頑張ってるのに。
「……すまない。初めての大きな行事で浮かれていた」
殊勝な顔で謝られれば、俺だってそこまで本気で怖いって思ったわけじゃないけど。
「50万以上の方が難しくないか」
「難しいです」
この人の金銭感覚は、一生一緒にいてもきっと分らないと思う。
「逆に、優征は何が欲しいの?」
俺の給料なんて、優征にしてみれば微々たるものだと思うけど、50万なんてまず無理だ。
「俺のプレゼントにはお金をかけるな。100円以内だ」
「無理だってば!」
でもプレゼントは欲しいって、ちょっと可愛いな。
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