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第325話

「ふうん」 可愛げのない俺の言葉に、優征が蜜柑を口に含んだまま、俺の後ろ頭を掴み、口づけしてきた。 「んんんんっ」 視感がぐちゅっと口の中で潰れるのがダイレクトに伝わって来てそのまま優征の舌と一緒に口の中で混ざり合う。 「んっんー!!」 胸をドンドン叩くがびくともしない。 そのまま俺が飲み込むまでキスを止めないつもりだ。 「ふっぁっ」 観念してゴクンと飲み込むと、後ろ頭を掴んで居た手が優しく髪を撫でた。 むかつくー! 酔って頭がふわふわしたままの俺は、思考回路低下中。 余っていた蜜柑を口に咥えると、優征の頬に両手を固定した。 俺が口で食わせてやる。 嫌がる優征を想像したのに、顔がとても嬉しそうだった。 「甘い」 ぎゃー! 笑顔が怖い。 悪いこと考えてる!

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