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第346話

「へ?」 「二時間後に俺のマンションに、その馬鹿みたいな恰好で集合。遅れた奴は殺す」 「???」 「さっさと来い、この馬鹿オオカミが」 立花さんが皆に吐き捨てた言葉を何度も頭の中で繰り返してもよく意味が分からなかった。 ただ、段ボールから立花さんがマントを手に取ると俺を連れて部屋から出ていった。 残った全身黒タイツの悪魔の衣装を巡って寒田さんと菊池さんが喧嘩をしているのだけは分かった。 「いやっ それ嫌ですっ」 もしかしてハロウィンパーティーを立花さんもしたかったのかなって思ったのに、家に着くと立花さんにズボンを脱がされて、ベットに投げ飛ばされた。 そして立花さんは禁断のクローゼットから、おかしなものを取り出す。 目を疑うような……。 「そのオオカミの尻尾、なんかへ、変です」 「どこが?」 「しっぽのもさもさした部分と身体をくっつける紐がない、ですし、そのビーズみたいな丸が付いる棒の部分なんですか?」 立花さんは怖がる俺を見下ろしてにやりと笑うと、ベットに乗って俺の足を掴んだ。 足の爪先からゆっくりと太股を撫でるとお尻に手を置いた。 「此処に入れるに決まってるだろ」 「!?!?!?」 「ほら、頭を枕に埋めて腰を突き出せ」 顔は怖いけど、立花さんは嬉しそうだった。 俺、俺……。

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