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第348話
「へ、あっ んんんんっ」
押し倒されて唇を貪ると、立花さんはネクタイを解いて俺の手首に巻き付けた。
頭に付けていたオオカミの耳を、立花さんが乱暴に噛み千切る。
オオカミを食べてしまうような立花さんは、一体何者なんだろう。
「ぁっ ぃ、ゃっ」
足を割られ、太ももでぐりぐりと刺激されたら身体は正直に反応してしまう。
「Trick yet Treat」
耳元で立花さんが囁くと、俺はその意味が既に頭に入らないぐらいとろとろに溶けてしまっていた。
「痛っ いっ 立花さんっ」
「緩んだら、肌が見られてしまうだろ」
「あっ、駄目です。や、優しくして下さいっ」
立花さんにぎゅうぎゅうに巻かれながら俺は数時間前の、ハロウィンを楽しそうだと言った自分の発言を後悔し始めていた。
「その肌を見せるわけにはいかないんだから我慢しろ」
「うー。でも痛いですっ」
一時間で、俺の身体に赤いキスマークを付けまくった立花さんは、ついでに俺がつけていたオオカミの耳を噛みちぎって壊してしまっていた。
あと一時間もしないで皆が来てしまうのに、俺の衣装はたまたま救急箱のあった包帯で急遽代用することになってしまった。
「ちょっとだけ緩くしてくださっ あんっ」
「変な声を出すな」
「だって、胸がっ」
さっき立花さんに噛まれたり舐められたり、指で摘ままれたせいで赤くぴっくりと腫れた胸の突起が包帯で擦れて痛い。
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