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第2話
※ ※ ※
「せ、せ……先生……っ……何してんですか……ってか―――何なんですか……この変な生き物は……な、なんか……ヌメヌメして……触手があるんですけど……っ……」
「ふん……いちいち騒がしい奴だな。いいから黙って快楽に身を委ねておけ―――これは、向こうの世界ではインキュバスと呼ばれている種族で……高貴な者達の間で大人気な奴だ。有栖川―――今はただのニンゲンであるお前もきっと気に入るに違いないさ」
猫山が魔方陣のような物を黒板に書いて、コンコンと何度か赤いチョークで叩いた途端に眩い光に包まれてしまい反射的に俺はギュッと目を瞑ってしまった。すると、暫くの間―――静寂に包まれていたため油断しきっていた俺はおそるおそるとはいえ目を開けてしまう。
目の前に異様としか言いようがない姿をした変た生き物がウゴウゴと蠢いていた。大きさはさほどでもなく両手程の楕円形のナマコみたいな生き物だが、何よりも異様なのはイソギンチャクのように触手が何本もウネウネと蠢いており、しかも色がオナ○みたいに淡いピンク色なのが―――とても卑猥だ。
すると、あろう事か―――猫山がおもむろに【インキュバス】と呼んでいた変な生き物を何の躊躇もなく手にとると、困惑しきり目の前の変な生き物を凝視しつつドン引きしている俺の体(というより服の中)へと接触させてきたのだ。
ヌチ、ヌチュ……グチュ……グチュッ……
「きっ……き、気持ち悪い……っ……やだ、やっ……先生……助けてくださ……っ」
「……断る。いいか、有栖川……私はお前が快感に身悶えて泣き叫ぶ様を見たいんだ。いずれ気持ちよくなる、とさっき言っただろう……お前はこの世界の犬が尻尾を振るように喜びに喘いでいればいいのだ」
と、猫山は―――【インキュバス】が体を這い回る感覚に半開きとなった口から喘ぎ声をあげている俺の様を無表情で眺めつつ容赦なく言い放つ。こんな非常事態の時ですら、猫山のヴァリトンボイスに惚れ惚れしてしまう自分が情けない。
ヌチャァ…………
と、ふいに淫靡な音が聞こえたかと思うと猫山が無表情のまま先ほどまで俺の体を好き勝手ち這い回っていた【インキュバス】を再び手に取った。
そして―――、
「ふん……有栖川―――なんだかんだ、お前のここははちきれんばかりにコレを欲しがっているじゃないか……どれ、どれ……今まで教室内では聞かせた事がないくらいの厭らしいお前の声を聞かせてみろ……っ……」
「やっ……いやだ……いやです……先生……先生の手じゃなきゃ……嫌です……先生……っ……あんっ……あっ……や、やだって……言ったのに……っ……」
グチュ……ッ……ヌチャッ……グチ、グチュ……
猫山は涙ぐみながら【快感】と【不安】とが入り交じったせいで混乱しつつも必死で訴える俺の言葉など、お構い無しだといわんばかりに勃起しきってビクビクと震えているチンポを包む【インキュバス】を激しく上下に動かし続けるのまった。
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