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第3話
ビュッ……ビュクッ……
「ふん……随分と淫乱な生徒だ―――。前々から目をかけてはいたが、まさかここまで素質があるとは―――これで、ひとまず実験は終わりだ……有栖川……お前に褒美をやろう。私は、今―――大変に良い気分なのだからな……これであの方にも喜んで頂ける筈だ」
「……っ……んっ……あっ……先生……先生……俺の厭らしい姿を……もっと見てっ……やっ……ん……こんな……こんな意味わかんないやつじゃなくて……っ……先生の手でボクを乱れさせて……っ……もっと、もっと罵って下さい……っ……」
と、頭の中がピンク色に染まって無意識の内に頬を紅潮させつつ射精の余韻に浸ってしまっている俺の言葉が聞こえたからなのは知らないが―――唐突に【インキュバス】が、そのピンク色のナマコみたいなその身をせっせと移動させていき、やがて俺のヒクついているある場所にピタリとくっついて吸着してくる。
「あっ……そ、そんなところ……っ……だ、ダメッ……んっ…………入ってこないで……っ……」
「有栖川―――お前は嘘つきなのか?教室ではあんなに素直そうな素振りをしていたのに……私になど触れられなくても―――お前はこんなにも淫乱じゃないか。チンポだけでなく、乳首までピクピクと震えさせて……どれ、ドMで変態な良い子のお前の望みも叶えてやる。私に子犬のように媚びろ―――お前にはそれがお似合いの姿だと分からせてやる。だが、勘違いはするなよ……お前のこれからの主人となる存在は私ではなく……あの方だ」
「…………?」
【あの方】と再び猫山の口からヴァリトンボイスで囁かれ、何の事を言っているのか訳が分からないと心の中で思いつつ【インキュバス】によるアナルへの吸着という愛撫と猫山による乳首への吸着という愛撫とで頭の中が【快感】に支配されてしまっていた俺は意味も分からずコク、コクと頷きつつ体を盛大に震わしながら今までに漏らした事のないくらいに淫靡な喘ぎ声を辺りに響かせてしまっていた。
猫山の舌自体が【インキュバス】なのではないかと思う程に彼の舌は生暖かくアナルに与えられている激しい動きと同じ様にそのもの自体が意思を持っている生き物みたいに、ビンビンに尖った乳首を舐めたり、先っぽでグリグリと押し付けてきたりと執拗に愛撫してくるため、ひっきりなしに喘ぎ声が漏らさざるを得なくなり―――ふと、猫山の黒真珠のように真っ黒で吸い込まれてしまいそうになるくらいに美しい目と俺の目がバッチリ合い、気まずさから思わず顔を真っ赤にしつつ逸らしてしまった。
―――すると、
ガンッ…………!!
という激しい音と共に、唐突に美術準備室の扉が勢いよく吹き飛び―――俺はあまりに突然の出来事に呆然としつつも、そちらへと慌てて目線を移す。こんな異常事態が起きた時にも猫山は表情を崩さず無表情なのだから、やっぱり奴は変人なんだ、と確信する俺なのだった。
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