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第6話

※ ※ ※ ゆさ、ゆさ…… 『……きて……きてよ……っ…………』 『おい……このままだと遅れるぞ……起きろ……さっきから何度も起きろと言っているだろ……スーリア!!』 (うるさいな……さっきから……人が気分よく寝てたっていうのに……って、あれ……今って何の授業中だっけ……) 寝ぼけている頭の中で―――必死で今の状況を思い出そうとしてみるものの、靄がかかったかのように頭の中が真っ白になってしまい余り思い出せない。しかし、かろうじて―――変人教師と皆から噂されていた猫山によって胸を何か刃物のような物で刺されて意識を失った事を思い出して一気に目が冴えてしまった俺は慌てて横たわっていた状態の体を勢いよくガバッと起き上がらせた。 目覚めた途端に目に飛び込んできた見知らぬシャンデリア―――。宝石がちりばめられている豪華絢爛なシャンデリアから降り注ぐ目映い光を直視して余りの眩しさに顔を歪めてしまった俺を怪訝そうに覗き込む見知らぬ人物(ちなみに全員男)達―――。ちなみに、その内の一人(粗暴そうな男)には勢いあまって頭突きをくらわせてしまった。 「………いってぇな……スーリア!!お前、いきなり倒れちまったかと思ったら―――今度はいきなり何なんだよっ……!!」 「しぃっ……静かにしなよ……ハイリアお兄様。スーリアくんはいきなり倒れてしまって目覚めたばかりなんだから。きっと目覚めたばかりでスーリアくんもまだ本調子じゃないんだよ……ほら、こんなにキョロキョロして混乱しちゃって……ああ、我が弟ながら可愛い……っ……食べたちゃいたい……っ……」 「ネムリアも……眠い、スーリア……兄であるネムリアと一緒に寝よ?」 どうやら、会話の内容から察するに―――見知らぬ三人の男達は俺の事を弟だと勘違いしているらしい。おそらく、俺が頭突きをくらわせてしまったハイリアという男が一番上の兄―――なんだと思うのだが、どうしても今の状況に納得のいかない俺はやたらと広々としている部屋の中を一通り観察してみた。そして、今の状況を理解するのに最適な道具を見つけた。 ―――それは、鏡だ。 鏡はいつ何時でも―――真実の姿(状況)を映す。 そして、今正に突き付けられる異様な状況を理解してしまい呆然としてしまう。あまりにも現実離れしている光景が残酷にも鏡に映し出されてしまい、もはや声を出す事すら出来ないのだ。 変人教師である猫山に刃物のような物で胸を刺される前までは、ごく普通の高校生だった俺の姿は―――クリ、クリとしたカールが特徴的な金髪とエメラルドグリーンのような緑眼をもつ幼い子供の姿となっていたのだった。体格的には小学校低学年といった所だろうか―――。 「……やっ……ん……っ……」 しかし、猫山に胸を刺されて意識を手放す前と変わっていない事が―――ひとつだけある事に気付いた俺は思わず見知らぬ人物が三人も目の前にいるにも関わらず変な声を出しつつ身を捩らせてしまう。 いつの間にか、見知らぬ場所に来たばかりか―――見知らぬ子供の姿へと変化してしまった俺のアナルの中に【インキュバス】が潜ったままモゾモゾとその身を蠢かせている。 【インキュバス】が好き勝手にモゾモゾとアナルの中で蠢くせいで、全身が火傷してしまうのではないかと思うほどに【言いようのない凄まじい快感】で支配されてしまうのだった。

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