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第9話

「「「スーリア!!」」」 と、三人の兄である男達にほぼ同時のタイミングで名前を叫ばれて気が付いた。またしても、鏡には金髪緑眼の男の子が間抜けな表情を浮かべつつ映っている。 「ほ……本当に……なんなんだよ……っ……この状況……また金髪緑眼の子になってるじゃないか!?」 「スーリア様……それに、三人のお兄様方―――そろそろ騒ぐのはやめて頂きたい。このミラージュの王室専属教育係の私を困らせないで頂きたいですな―――あなた方のお父上とお母上であらせられる王と王妃に怒られるのは私なのですよ?さあ、早く舞踏会へ参加して下さい」 若干、ジロリと冷たい瞳で【猫山】から睨み付けられ、内心では逆らいたいにも関わらずビクビクと体を震わせながら俺は渋々ベッドから起きると《他国間同士の舞踏会》とやらに参加するために身支度を整えようとした―――のだが裸同然のみすぼらしい姿だった事を思い出した。 「おい、猫山……こんな状態で―――どうやって舞踏会とやらに行けっていうんだ?豪華絢爛な舞踏会に着ていく服がなければ無理に決まってるじゃないか……っ……それよりもさっさとこの状況を説明し……」 「スーリア様……猫山とはどなたの事でしょうか?私には―――【ネコン・ヤマン】という名前がございます……それと舞踏会に着ていくための衣装ですが……少々生意気なスーリア様にとっておきの物がございますゆえ……ご安心を……さあ、身に付けて下さいませ」 バサッ………… 「こ、これ……これは……メイド服じゃないか……っ……こんなん着れる訳がないだろ!!」 「いいえ……賢いスーリア様なら、特別な事情で通じ合っている私のために……それを着て舞踏会へいって下さいますよね?」 スルッと……三人の兄だという男達から見えないように【猫山】が慌てふためき動揺を隠せずに喚く俺の脱げかかって半分ずり落ちているズボンの上から下半身を擦ってくる。その度に、体の内側を凄まじい快感が雷鳴のように駆け巡り―――思わず半開きとなってしまった唇から喘ぎ声を漏らしそうになってしまう。 「あっ……イ、イイからっ……わかったから……っ……イ、イクッ……イクよ……っ……」 「良かった……やはり、スーリア様は賢いですね―――それでは、なるべくお早めにその衣装を着て準備を終えて下さいませ……各国の王や王子達が首を長くして貴方達をお待ちです」 バリトンヴォイスで囁きかけてくる【猫山】から脱げかかったズボンの上からピンポイントでチンポを擦られ続け―――あまりの快感に我慢できなくなり達してしまったのは―――三人の兄だと名乗る男達には絶対に秘密にしなくては、と俺はピンク一色となって脳内でボンヤリと考えつつもニヤリと愉快げに微笑んできた【猫山】からメイド服を受け取る事しか出来なかった。

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