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第2章 春霞1

相原と出会った高校一年、オレにとっては色んなことが変化した一年。 春に出会って、たった1度だけ交わした会話をずっとこの胸にしまい込んでオレの毎日は過ぎていった。 たまに見かける姿に気付いたら一喜一憂してる自分がいて、これが片想いなのだと知り.....そんな片想いのままオレは相原とそれ以上何の進展もないままで、気付いたら二年に上がっていた。 ·····────そしてまた、アイツと出会った春が来た * 「ゆうちゃん、もうそろそろ自分から告白したら?」 「自分から告白なんてしたことないからどうしたらいいかわかんねーんだよ」 あまりにも何もないままだからとダイはことある事に告白をしろとまくし立てた。 「そんなの簡単でしょ。呼び出して自分の気持ちを言えばいいんだよ」 わかってるけど、わかんねーんだよ。 今まで告白は腐る程された。 けど、自分からなんて一回もない、だって好きな奴なんていなかったから。 だから、自分で自分の扱いがまるで分からない。 この手で触れたらいけないような、何故かアイツにはそんな気持ちが抜け切れない。 だけど、触れたい衝動も抑えらなくなる時もある。 そんな矛盾だらけのオレを後押しするような、オレにとってはうってつけなイベントがあることを知った…… ……それは、生徒会長選出選挙だ。 一年の時は生徒会に席を置いていたとは言え、それほど深く関わってたわけじゃかったから詳しいシステムなんて知ろうともしなかったし、興味もなかった。 でも、二年に上がって俺が会長候補に上がってる噂を知り、それでダイに詳しく聞いたら色々と教えてくれた。 この学校は生徒会長と副会長を投票で決め、その生徒会長がそれ以外の役員を自分で決められる。 それで生徒会長になればあとはどうにでもなる。 口実といえば口実だけど、クラスが違うアイツと接点を持つには、こんなことでもしない限り無理だ。 * 「ダイ?おまえさ、会計係してくれてるか?」 「え??僕が?!ちょっと……それって役員になるってことだよね?」 「ああ。嫌か?」 「嫌じゃないけど……よりによって……」 「決まりな!で、書記は相原にする」 「え?!本気?!」 「本気だ……」 それから無事に会長になったオレは計画通りにことを進めた。

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