生徒会長選出会から数日経ったある日の放課後、オレはその目的を遂行するために校門で相原を待ち伏せした。 おっせーな····· 何やってんだよ。 いつもなら下校のチャイムと同時くらいに走って帰るはずなのに、今日に限って何故か一向に現れない。 まさか、もう既に帰った後とか？ ·····いや、それはないはず。 でももう薄暗いしなぁ····· どうしたものかと思い倦ねていると、不機嫌な顔をした相原がこっちに向かって歩いて来るのが視界に入った。 やっと来たよ····· と、思った矢先、オレと目が合った相原は急にオレに背を向けた。 「おい！！！」 とりあえず呼び止めようと叫ぶと、シカトされ挙句の果てには逃げようとしているのか今にも駆け出しそうな雰囲気。 そんな相原に駆け寄りもう1度叫ぶ。 「おい！シカトすんなよ！」 そして思わず、 「相原渚！止まれ！」 名前をフルネームで呼んでしまった。 ｢渚！！聞こえてんのか！｣ そのまま固まって動かない相原に続けて叫ぶとやっと振り向いてくれた。 なんなんだよ、全く····· ｢まぼろし·····じゃ·····なかった·····｣ ｢あ？何わけわかんないこと言ってんだよ｣ せっかくやっと話ができると思ったらわけわかんないことを言い出すしで、会話するレベルになかなか達しない。 ｢あ、あ·····のぉ·····｣ ｢いきなり逃げんなよ｣ それにこれ以上逃げられたら困るオレは若干怯える相原の腕を掴むと一気に距離を縮める。 ｢やっと来たと思ったら逃げやがって·····｣ 全く、世話が焼ける·····つーか、こんなんで告白出来る日なんか来るのだろうか。 だけど、久しぶりに至近距離から見た相原にありえないくらい鼓動が早く、やっぱり·····と、その原因を認めざるおえない自分がいた。