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第102話※
「ここだよ、航平くん……。ここに君を挿れて……」
後蕾の入り口に触れた航平の指がびくりと戸惑いを見せた。しかしすぐにそろそろと周りを撫でると、こんな小さいところに、と呟いた。間近に見える航平の喉仏が上下する。そして上体を起こすと笹木の両足を二の腕にかけて、その熱い滾りを笹木の後蕾に押し当てた。
「くぅっ! うぅ……。あっ、あっ……」
ぐぐっ、と航平がなかへと割り入ってくる。ぎちぎちと目一杯に拡げられた襞から小さな痛みが走った。強い圧迫は一旦、くびれまで入り込むと熱い粘膜をすりながら奥へ奥へと進んだ。
「さ、さきさん。大丈夫……?」
顎を上げ、きつく目を瞑って喘ぐ笹木に航平が問いかける。薄く瞼を開くと、顔を上気させた航平が眉間に皺を寄せて自分を見下ろしていた。きっと自分のナカは航平をきつく喰いしめて辛いのだろう。初めての彼にはもっと気持ちよくなってもらいたい。笹木は何度か大きく息をすると、微かに笑みを浮かべて、
「ご、めんね、久しぶりだから……。もう全部、挿入 った?」
「……もうちょっと。でも笹木さん、しんどそうじゃ。痛いんじゃろ? 無理せんでも俺……」
心配する航平の腰に両足を絡ませた。より互いの体が密着して、航平の屹立が少し奥へと押し挿れられる。笹木の意図がわかったのか、航平は何も言わずにさらに眉間の皺を深くして大きく腰を打ちつけた。
「はあ! はっ……」
「全部、挿入ったよ、……智秋さん」
航平が笹木の目尻からこぼれ落ちた涙の雫をキスで吸い取った。そのまま耳元に顔を落とすと、ぎゅっと強く裸の体を抱きしめられる。なかなか動こうとしない航平の背中に手を這わせると、その汗が薄く浮かんだ肌をあやすように優しく撫でた。
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