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第2話
『あ…!海音 !』
『…またやらかしてんの?
コウ先輩。』
『えへっ♡
やっちゃったみたいw』
『ったく…貸しなよ。
手伝ってやるから。』
『ほんとっ!?
ありがと〜海音 っ!
お前ってほんと頼りになるよな。』
『…声でかい。
さっさと始めようぜ』
声を掛けてくれたのは後輩の海音 こと熊谷海音 。
1個下の新入社員だけど、けっこういい大学を出てトップ入社してきただけあってすんごい仕事が出来る我が部署の期待の新星。
もうキレッキレの仕事ぶり。
身長182cm。
高校時代はバスケやってたそうで、浅黒い肌にガッシリと引き締まったナイスボディ。
クールで人を寄せ付けない雰囲気だけど、なんでか俺が困ってると助けてくれるマイヒーロー♡♡♡
俺程じゃないけど(ここ重要)ワイルド系のかなりイケメン。
女子社員達はキャーキャー騒いでるけど、無愛想で口は悪いし怖がってみんな遠巻きに見てる感じ。
後輩のくせに俺だけにはいつもタメ口なんだけど…まあその方が俺も気楽だしね。
幸之助じゃ長いからって「コウ先輩」って呼んでくれるのも俺だけ特別みたいでちょっと気分が良かったりする。
今日も海音 が手伝ってくれたおかげでそんなに時間もかからずにミッション終了。
『うわあ~終わったぁ~♪
ありがと海音 っ』
『…こんな簡単な書類であれだけ間違えられるってさ、あんたある意味大物だわ。』
『うわ♡
どうしよ…海音 に褒められちゃった♡♡♡』
『褒めてねえよ。』
プッと海音 が吹き出して…子供みたいな顔で笑った。
あ…この顔好きかも♡
俺が脳天気だから安心できるのか、俺といる時の海音 は子供みたいに無邪気でちょっと甘えん坊。
本人に言うと怒るから言えないけど…なんか可愛いんだよね♡
みんなには見せない一面を無防備に見せてもらえるのもお荷物社員だからこその特権だよね。
うん、俺ってやっぱりラッキーな男なのかも♡
『コウ先輩、飯食わせて。
俺お腹空いた。』
『あっ行こ行こ!
今日のお礼に俺が奢るね!』
『当然だろ。』
『こいつ!』
片頬をあげてニヤリと笑う海音 の頭をクシャクシャと撫でてやる。
俺も海音 も一人暮らしだから夜は大抵外食。
コンビニばっかで済ませるのは身体に良くないし、時々一緒にご飯食べてる。
あちこち美味しい店探して二人でくだらない話して帰るのはなかなかどうして楽しくて。
部署のスターを俺が独り占めしてるってのもけっこう嬉しいポイントだ。
『海音 、何食べたい?』
『うーん…ガッツリ食べたい気分かも…』
『じゃあ俺が行きたかった店にしていい?』
明日は土曜で仕事も休みだし飲んじゃおかってことになって、最近評判のワインとお肉が美味しいという店に向かうことにした。
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