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第16話

―――人、人だ……誰かがぐったりと気を失って白い玉砂利が敷き詰められている地面に横たわっている。 (いや、ただ単に―――横たわっているだけじゃない……それに、それに……白い玉砂利を汚しているあれは―――あれは……っ……) 「ひっ……わ、王花様……王花様……っ……!!」 皆がとっくに寝静まっているであろう夜更けだというのに―――思わず叫ばずにはいられない。 護衛官が行方不明だと言っていたその王花様が、立派に咲き誇る桜の木の下から少し離れた玉砂利が敷き詰められた地面にぐったりと横たわり、しかも彼の胸元には―――短剣が突き刺さっていたのだから―――。 じわり、じわり―――と短剣が突き刺さっている箇所から真っ赤な血が流れ出ているのを目の当たりにした僕は辺りに響き渡る程の悲鳴を上げた後、意識を手放して倒れてしまうのだった。 薄れゆく意識の中で、慌てて駆け寄ってくる翻儒の顔と―――、 僕の悲鳴を聞きつけたからか、大騒ぎをしながら沢山の守子達が集まってくる光景を―――、 ぼんやりと見た―――ような気がするのだった。

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