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第21話
「―――先程、Ωである貴様の体には興味がないと言ったが……気が変わった。よもや、貴様が―――気高き屍王様と、そこで呑気に眠り呆けている――王宮内で誰にでも股を開く淫乱と噂されている尹医師との……実の息子だったとは―――味見する価値は充分にありそうだ」
「お、お離し下さいませっ……世純様――っ……」
ぐっ、と――――力を込めながら僕の体を己の方へと抱き寄せて、首筋に生暖かい唇と舌を這わせなてきた世純は、今度は耳朶へと唇を近付け―――低い声で、こう囁くのだ。
「―――黙らぬか。それとも、このまま事が済み終える前に、尹医師……いや、貴様の母親が―――起きて奴に露見しても構わないというのか……まあ、私はそれでも一向に構わぬがな――」
「…………そ、それは……っ……」
僕がすぐ側で寝息をたてている尹先生の姿を一瞥した、その瞬間を世純は待っていたのか―――にやり、と厭らしく笑うと僕の顎を取り半ば強引に己の方へと向けさせると――そのまま有無を言わさずに唇を重ねてきた。
「んっ……んんっ…………むっ……」
あろうことか、意地の悪い世純は―――ただ単に己の唇を僕の唇へと重ねてきただけでなく、先程まで首筋に這わせていた生暖かい舌で僕の舌をすくい取ると――手慣れた動きで暴れる僕の舌へ絡め合わせてくるのだ。
静寂に包まれた寝所に―――くちゅ、くちゅと淫靡な水音が響き渡る。その度に、いつ側で眠っている母であり――大切な味方でもある尹先生が起きてしまうのではないか、と不安に支配されてしまう。
何とか逃れようとしても―――世純の力の方が明らかに強く、僕は蜘蛛の巣に捕らえられた蝶のように弱々しい抵抗しか出来ない。
しかし、このように異様な状況ですら――Ωである僕の下半身にある敏感な部分は緩く反応してしまっている。
それを察知した勘の良い世純は僕の唇から、ようやく己の唇を離すと―――おもむろに、下半身にある敏感な部分を下衣の上から握ると、そのまま尚も手慣れた手つきで触ったり、擦ったりと―――僕の気持ちなどお構い無しだといわんばかりに好き勝手してくるのだった。
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