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第42話 (失禁表現ありのため苦手な方は注意)

「―――ああ、その情けない顔……まるで昔の王宮に来たばかりの情けない吾を見ているようで苛々する……早く、犬のように小水を垂れ流せ―――まあ、もう我慢も限界だろうけれど……」 「魄、見……な……いで……くれ……っ……」 しゃぁぁぁー………… 見る見る内に―――とてつもない羞恥心から、固く目を閉じた翻儒の足の間を小水が濡らしていき地面を汚していく。 僕は咄嗟に目を背け―――その水音を聞かないように両耳を塞いだ。だが、黒子がそれを許さないといわんばかりに此方へと近づいてくると、羞恥で泣きそうになっている翻儒から目を背ける僕の顔を乱暴に掴んでから、小水をし終わり、呆然と立ち尽くしている彼の方へと強引に向けさせるのだ。 ―――途端に、僕と翻儒の反応を愉快げに見下している黒子に対する激しい怒りが沸き上がってくる。 普段、どんなに周りの守子達から蔑まれようとも―――世純に憎まれ口を叩かれようとも、こんなにも僕の心の中に怒りが沸き上がってきた事などない。 ―――ばしっ!!! 激しく沸き上がる怒りの炎を心の中で燃やした僕は―――かっ、となり……気が付けば反射的に黒子の体へと掴みかかると、ありったけの力を込めて黒子の頬に平手打ちをくらわしたのだった。 ―――ふぁさっ……… と、その拍子に―――黒子が頭全体に被っている黒布が外れ、 「わ、王花――――様!?」 ずっと隣にいて相変わらず無反応で虚空ばかりを見つめ続ける心を壊されてしまった王花様と、今まで冷酷な仕打ちを翻儒に対してしてきた黒子の姿とが瓜二つな事を目の当たりにした僕は思わず間抜けな声で呟いてしまうのだった。

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