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第49話

「恐れながら、黒子様を手にかけた人物だと私自身が思うのは―――世純様でございます」 その眠赦の思いもよらぬ言葉を耳に入れ、黒子を手にかけた犯人だと疑われている張本人の世純だけでなく、周りの黙り込んでいた守子達でさえ――ざわ、ざわと囁きながら驚愕を露にする。 「ええい、鎮まれ――!!」 「――畏まりました、偉大なる屍王様」 ついに怒りを露骨な態度で示して、手に持つていた扇子を好奇心から騒いでいる守子達がいる席へと向かって投げつけた屍王の剣幕におののいた守子達は、一斉に黙り込むと再び無言で屍王と世純達のやり取りを観察する。 「……眠赦よ、そのように申すのなら――世純が黒子を手にかけたという証拠があるのであろうな?」 「――はい。二つの証拠がございます――それに伴い、まずは世純様と黒子様のご関係について知って頂きたいのです。彼らは――夜な夜な、寝所を訪ね――夜を共にするような親密な仲でございました。ねえ、守子の皆さん――そうですよね?」 急に眠赦から尋ねられ、僅かに戸惑いを感じているようや様子だったが、一人の守子が眠赦の問いかけに対して、こくりと首をふりながら頷くと――それを合図だと言わんばかりに周りの戸惑っていた守子達も次々も眠赦の問いかけに対して同意するのだった。 ーーー既に、この時点で世純は薄々嫌な予感を抱いてしまっていた。

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