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第57話

いや、その前にこれからの物語の場となる《逆ノ目廓》について少しだけ言及しておく事にしよう。 《逆ノ目廓》―――。 彼処は――今までずっと王宮内で暮らしてきた私と王花様にとって、正に異様な世界だった。 各地から《美貌》に秀でたΩの者達を集めてαの性の相手をさせて欲望を満たす場所――それが《逆ノ目廓》であり、其処ではΩである花魁達は――客であるα達よりも圧倒的に上の立場だったのだ。 王宮内では劣等主として虐げられているΩであるが――あの《逆ノ目廓》では、αである客の性欲を満たす貴重なΩである花魁として、もてはやされていた。 ――そして、その《逆ノ目廓》で新たなる出逢いもあった。 ――そして、別れもあった。 今度こそ、新たなる舞台《逆ノ目廓》にて何が起こったのか記すとしよう―――。 第一章 完

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