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第145話

「んんっ……やっ……ああ……で、でも……でも……何だかとても……とても……気持ちがいい……」 ――ぬちゅり……ぐち……くちゅ……ぐぬっ…… 粘液まじりの緑色の細長い物達が、天衣を纏っているとはいえその布の薄さから既に裸同然といえなくもない僕の敏感になっている体にまとわりつき――執拗にまさぐってきたため辺りに淫靡なる水音が響き渡る。 と、その時――何の予兆もなく緑色の細長い何かに異変が起こる。 ――ぐぐっ……ぐにゅり……ぐにゅ…… 先程まで植物の草の形のように先端が鋭く尖っていた緑色の細長い物の形が徐々に変わっていく。しかも、変わっていくのは緑色の細長い物の全体ではなく、あくまで先端の形だけなのだ。相も変わらず、色は毒々しい程に鮮やかな緑色だ。 変異しきった緑色の細長い物は――実に奇怪な見た目としか言い様がない。先端以外の部分は細長いにも関わらず、先端だけが膨張したかのように張りつめ――しかも、その見た目は人間の男性の魔羅に瓜二つなのだ。 不意に――その中の一つがぐぐっと呆然として言葉さえ失っていた僕の口に近づいてくる。人間の男性の魔羅に――しかも、先程見たばかりの燗喩殿の魔羅に瓜二つの其れだというのに――毒々しい程に鮮やかな緑色のせいなのか、それとも生理的な不快感を抱いているせいなのか――いずれにしろ、僕は其れを口に受け入れる訳にはいかないと本能的に察して頑として口を閉じる。 ――しかし、 ――どくんっ……びゅく……びゅくっ…… 「んっ……な、何を……ま、まさかっ……まさか……あ……はあっ……んんっ……」 頑なに口を閉ざしている僕の顔面に向かって――人間の男性の魔羅と瓜二つに擬態した緑色の其れは少し黄色みがかった粘液をぶちまけてくる。 突然の事に驚いてしまった僕は――思わず小さく口を開けてしまい――黄色みがかった粘液と共に人間の魔羅と瓜二つに擬態した緑色の其れを喉奥へと受け入れてしまうのだ。 すると、暫くしてから――不意に徐々に抗えない程の眠気と世界全体がぐるぐると常に回っているのかと錯覚してしまう程に強烈な目眩を感じ、僕は無意識の内に目を固く閉じてしまうのだった。

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