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朝目が覚める前に ②
兄貴に欲情するなんてありえねぇ。
だけど本当はずっと4年前のあの日から―――。
『朝目が覚める前に』
帰りたくないだの、えっちしたいだのと道の往来で喚いて腰を押し付けてくる兄貴に色んな意味で頭ん中沸騰して、引きずってラブホに入った。
「なおー」
首にしがみついてベタベタとくっついてくる兄貴。
泥酔しきってるから弟の俺でもいいのか?
確かに俺と兄貴は―――血が繋がってない、だからよく考えればそうなっても悪いことはない。
……いままで俺に見向きもしなかったくせに。平凡のくせに。
内心悪態つきながらも密着してくる身体にそんな冷静に考える部分なんて一割に満たない。
だせぇくらいに、いままでないくらいに自分の身体が熱く昂ぶってんのを感じる。
適当に部屋選んでエレベーター乗り込んで、部屋に近づいていくだけで身体が一層疼く。
そして―――
「……っふ……ぁ」
部屋に入るなり壁に兄貴を押し付けて唇を奪った。
舌入れて口ん中舐めまわす。
歯列も裏側も舌の裏筋も、余すことなく味わう。
激しく荒らしてるせいか唾液を飲みこみきれてない兄貴が口端から垂らしてんのがわかる。
でもそれも構わず自分勝手に舌を這い回した。
「ん……っん」
俺の舌に舌を絡めようと必死な兄貴は俺の腰を掴んでぐりぐりと腰をおしつけてくる。
キスを続けながら股間に手を這わせた。
バックル外して前緩めて中に手を突っ込む。
下着の上からぐっと硬くなっていたものを掴むと俺の咥内で兄貴が甘く呻く。
棹の部分を強めに擦るとビクビク震える兄貴の身体。
つーか……男のモノを触れるなんて揉むなんてありえねぇ。
そう思ってたはずなにに下着が少しづつ湿ってくるのを感じてさらにつよく扱いてやった。
「……っんぁ」
部屋についてもうどんだけくらいキスしつづけてんだろうか。
頭も身体も全部熱い。
いままで女と散々ヤってきたけど、比べ物になれねーくらい興奮してる。
こんな平凡な、しかも兄貴に。
胸の内で舌打ちするけど、もう突っ込みたくてたまんねぇ。
「っ……ふ、っ……あ」
キスの合間に兄貴が俺の肩に手を置いた。
「な……おっ……ん」
焦点の合っていないとろんとした目がぶれながら俺を見てくる。
頬は紅潮しまくっててその身体は小刻みに震えてて、布越しに触れてる兄貴のもどくどく脈打ってる。
「直接っ、さわって、っあ、ん」
弟の俺だってわかってんのに、普段からは考えられないような艶っぽい顔でねだってくる兄貴。
男だってのに、顔なんて中の中だってのに、別に特別女顔ってわけでもねーのに。
「チッ、お前どんだけ濡らしてンだよ、この淫乱ッ」
直接触れた兄貴のはむちゃくちゃ熱くて硬くてだらだらと先走りを溢れさせてて、俺を煽りまくる。
自分以外の性器だってのに触ることに抵抗感はない。
「だって……んっ……きもちい……っ……うしろ…もっ」
「……ッ、おらっ、後ろ向けっ」
兄貴のものは握ったまま後ろを向かせてズボンを下着ごと下ろした。
開いてるほうの手を兄貴の口元にもっていき指を突っ込む。
「ちゃんと濡らせよ」
そんなに広くないラブホの部屋。
ベッドまで数メートルなのに、そこに行くまでが長いもどかしい。
ローションを買う手間もめんどくせー。
フェラするように俺の指を音をたててしゃぶって濡らして舐めまわす兄貴の舌。
指しゃぶられてるだけなのに一層身体が滾るのを感じた。
ぬるぬるになった指を引き抜き兄貴のケツ孔に擦りつける。
誘うように揺れる腰に、兄貴のものをぐっと握って押さえつけて指を沈めて行った。
すんなりと挿っていく指。
ケツ孔に指突っ込んだことなんてあるはずもねーから、これが初めてだ。
でも初めてでもわかるくらい異様に兄貴のナカは熱く柔らかく、うねって俺の指を締めつけてきた。
余裕であっというまに二本飲みこんでいく。
どーかんがえても、こいつがヤりまくってるのに間違いはねぇ。
痛がる様子もなにもなく突っ込んだままの指に自分のいいところを擦りつけるように腰を振ってくる兄貴。
慣れ過ぎたその腰遣いにイライラしながら引っかくようにナカを掻きまわした。
「ひっ……んあ、っあ、なお…っ」
身体を震わせながら嬌声を上げる兄貴の前と後ろを攻め立てながら背中に密着して腰を押し付ける。
うなじや耳の後ろを舐めて耳たぶ噛んで。
どんどんと喘ぎが強くなっていく。
腰を揺する兄貴がなんとなく同じような部分を押し付けてくるような気がして、指の腹でさぐりながら見つけたしこりを強めに擦りあげた。
「っあん、そこっ……ん、いい…っ」
先走りの量も増し、俺の指をぎゅうぎゅう締めつけるナカ。
もう耐えきれねー。
早く突っ込みたくて兄貴のものを扱く速度を上げ、尿道を刺激した。
もともと酒飲んでいたせいもあってかあっという間に俺の手の中で脈打ち膨張率が増して―――
「っああ、出るっ……なお……っ」
びくびくと背中をしならせながら欲の印を吐き出した。
ケツ孔から指を引き抜き、白く濁ったそれをケツん中にこすりつけて、そしてズボンから取り出した俺のにも塗りつけた。
笑えるくらいにいつも以上に硬く膨張した自分のを緩く扱きながら兄貴のケツ孔に宛がう。
興奮しすぎてんのか先走りももうダラダラでててそれを塗り込むように入り口に擦りつけた。
先端がケツ孔に少しハマって外れて、それだけでもバカみてーに気持ちいい。
「っん、なお…ぉ、早く……っ、いれて……っ」
ケツを突きだしてくる兄貴の腰を引き寄せる。
「お望みどーり挿れてヤるよッ」
兄弟の一線なんて、そんなもんどーでもいい。
言うなり一気に突っ込んだ。
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