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第47話 パフューム 4-2

 こうして腕に抱く時の彼は、普段のクールさなどは欠片も残さず払拭されて、むしろ扇情的なほどだ。キスに夢中になっている彼の腰が、微かに揺らめいたの見て、俺はその下肢に手を伸ばしベルトのバックルを外すと、少し乱雑にスラックスのファスナーを下ろした。敏感な場所に伸ばされた手に、身をよじるようにしてまた腰が揺らめく。  伸ばした俺の手から逃れようとするその動きに俺の顔はだらしないくらいに緩んでしまう。こんな時でも素直じゃない広海先輩が可愛い。下着の上から撫でるだけでも反応しているのに、嫌がる素振りを見せる。気持ちいいことは嫌いじゃないのは知っているので、おそらく流されて俺にいいように扱われるのが癪なのだろう。 「一回イっておいた方がよくないですか? ここ、もうすごいよ」 「……」  揶揄する俺の言葉に小さな舌打ちが返ってきたけれど、そっと触れたそこは、ローライズのボクサーパンツにくっきりと形を浮かび上がらせている。指先で先端をなぞれば、じわりと濡れてしみが広がった。そしてしばらく、わざと指先でつつく真似をしていたら、焦れたのか思いきり手に昂ぶったものを押しつけられてしまった。  けれどその行動に俺の顔はますます緩みにやけてしまう。 「我慢出来なくなりそう」 「……んっ、んん」  再び唇を奪い口の中を蹂躙するように犯していくと、伸ばされた腕に背を抱き込まれた。俺をきつく抱きしめる広海先輩は、はしたなく口を開いて唾液を口の端からこぼす。

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