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第10話
オレの恋愛対象は、男なんだから無闇にかき乱すなよ。
そう思いながらも男のしかもコイツ身体すげぇ良い...温かいし、佐久間と違ってしなやかな筋肉がクロの身体のラインを綺麗に見せる。
そんな胸の中に抱き込まれたら女だって胸が高鳴るだろ?
胸板も、なかなかに厚みはあるし、肌は思ったよりも肌理《きめ》細かい。
クロは目が薄いグレーの様な綺麗な真っ直ぐの目をしているし髪は短く、背は185位か...スポーツマン体型。
脂肪だって殆どない綺麗な筋肉が付いてて、まだ...やはり幼さを感じる。
「なぁ...お前さ、歳いくつ?」
見た目でも20過ぎくらいだから、流石に同年代ではないだろう。
「18」
は!?
いや、空耳?若いとは思ったが...待て待て。
「ちょ、今何つった?」
オレはうつ伏せで寝てたままの状態で、両手を突っ張って上半身を起こすと、クロを見た。
「あ?18だが」
つらっと、言い放ったが。ま、じ、か!未成年だろ!
「お前親が心配するから、すぐ帰れ!今帰れ!」
一日既に置いてしまってる。
親が心配してるかも知れないし、いくらなんでも捜索願まではないにしろ...心配される年頃だ。
「は?置いてくれないのか?」
前に許可した事を覆す様なことを言われて、この男も面白くないのか、とても低い声でその言葉を放たれた。
「未成年だろ!」
クロは寝たままで俺をジッと見て、深く溜息を吐いて体を起こした。
そして、オレを見て頭を深く下げた。
「頼む...親は心配とかのレベルじゃない所に住んでるから、問題ねぇ治るまでで良いから、ホントに頼む...」
頭を下げてるクロの言い方が切羽詰まってるようで、何かから逃げたいのかは解らないが行く所がないのは本当の事だろう。
だが、オレも同じ男だが、過ちは起こり得る。
「クロ、なら一つ言っておかなくちゃならない。オレはゲイだから本来ならこうやって一緒に寝るのは、避けた方がいい...オレも未成年に手を出したくねぇしな」
引くか?それとも気持ち悪がるか?
グレーの目を覗き込んでも、瞳の中は揺らぐ事は無かった。
「...そうか、俺はお前の恋愛対象なのか?」
う、痛い所を...
「そうだよ!だから、危険だって言ってんの」
ハーハーと息を荒らげながら言えばひとつ頷いた。
「解った、俺はソファーで寝る」
もそり...と布団から出るとオレの上を跨いで通過しようとするこの無自覚男どうにかして!
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