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第13話
クロに、どことなく似た雰囲気に流されてしまったのだ。
何時もなら急がずゆっくり相手を観察して、病気のチェックとかしてからオレも検査結果を告げて行為は始まる。
が。
今日は流されてしまった...
ヒュウヒュウと風がオレの身体に当たり、行為を始める寸前のやり取りを思い出して腹が立った。
「クソっ」
流されたオレが悪い...そう、諦めるしかない。痛い尻を、どうにか浮かせて自宅へと向かった。
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家に帰り着くとクロが、松葉杖でオレの所に迎えに来た。白い包帯の下は金具で固定されてる。
「お?病院行ったんだ?」
ちょっと中腰なオレを見て、首傾げてたけどさほら、やっぱさ...言えないでしょ?
「金...いらんかった、会社に回してって言ったら、出来たから」
そう言ってオレの置いていった3万が返される。
会社に言えばいいとか...知らんかった。
保険証無かったら、高いと思って渡したが...良かった。
「そっか、良かった...で、どのくらいで治りそう?」
「会社には1ヶ月戻らないって言った」
会社的に大丈夫かよ!
てか、長っ!1ヶ月休ませてくれる会社なんてあんの!?
「そっか...解った」
他人事だし。
それよりオレは、尻が痛てぇ。
綺麗に流して置かないとヤバいからと、尻の洗浄液を持ってトイレ、それから風呂に入りスッキリしたので、晩飯を店屋物にしようと提案した。
クロの希望は肉だったから、ハンバーグの出前のある場所に注文して二人でガツガツと食べて、満腹になると眠気が来る。
結局処理してないから、明日は辛いだろうなと思いながら、オレはベットに飛び込んだ。
「痛いのか?」
腰あたりを摩られてゾワゾワとした感覚に、痺れそうになる。
「あーうん、てか、触んな」
変な感覚を逃がしたくて、クネクネしたら、手でガッツリ腰を掴まれてゾクっと期待が膨らむ。
未成年になに期待してんだよオレはっ!
腰触られたら勃つから離して欲しいんだが...
「俺、マッサージ出来るぞ?」
痛いのは腰じゃねぇんだよ!スリスリすんなっ!
「揉むか?」
「あー痛いの、腰じゃないから」
うつ伏せになり、バツが悪いのでクロの居ない方へ顔を向けて答える。
「は?じゃぁ、どこ...あ」
最後の〝あ〟は、何なんだよ。
いや、気づいたな!?何してきたか解ったんだよな!?
なら、頼むから触れるな!
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