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第17話
もう、そうやって気を持って行かれてるのを自覚してるのにそれを見て見ぬ振りをしなくちゃならない。
それはそれで、辛いんだからなっ!
なんかお兄さん泣きそうだよ...なんて思ってたら、クロの手がオレの頬を撫でた。
撫でっ!?
「なっ!?」
驚いてクロを見たら、キリッと整った眉がはの字に開いて、にっこり笑う。
「りぉ...おはよ」
声が低くてオレの身体が無意識に反応を...うわぁ、本当に18かよ!色っペぇ。
盛りそうな...自分の下半身を戒めて、おはようと返して風呂に向かった。
自分で出すの、時間が掛かるからやなんだけど、昨日出せなかったせいで尻も触れない悲劇に悶々としながら、どうにか処理を終わらせて戻ったら...クロがジーッと見てた。
「な、なに?」
頭拭きながら、ソファーに座ればクロもオレの横に座る。
「今日休みだよな?」
うん、休みだから昨日張り切ったんだしな...失敗に終わったが。
「まぁ、そうだな」
「どこも行かねぇ?」
...うーん、昨日の今日では処理も無理だし、出掛けても仕方ないかなぁ。
「...なんで?」
「足りて、ねぇんだろ?」
拗ねたような顔で、オレのズボン握り締めたクロに驚いた。
うわぁ、何だこれ。
オレ絶対顔赤い...ガキに振り回されてるっ。
てか、行くの前提かよ!
「痛くて行けねぇよ!アホか!」
「りおがヤって帰って来るのとか、想像付かねぇし...俺なんか、モヤモヤするから、ヤダ」
...ワガママか!
「あのなぁーオレだって健全な男の子なの!解る?溜まるし、溜めたら辛いのは解るだろ」
全く...朝からなんの話してんだよ。
「あ、俺揉むわ」
は!?いきなり、テーブル押しやられて、その上に転がされて目が点になる。
思いっ切りオレの話しスルーなのか!?
「ちょ、クロ?」
あれ?オレの話どこにポイ捨てして来たんだよ!?
「りお、体幹おかしいだろ...尻に響かねぇ様に揉む」
そう言って、クロの大きな手がオレの背中を押して来た。
「っ...」
肩が凄まじく凝ってるので、肩甲骨やその付近を押されると自然と声が漏れる。
「ん、クロ...い、た...い」
背骨の両脇を、手のひらで押されて痛みを感じつつもやはり、揉まれれば気持ちいい。
「りおの声、エロい」
バカなのこの子っ!オレの声にエロいとか!
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