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第31話

それを伸ばして潤滑液のように先端を包んで力を込めた。 「んっ!ヒッ!!!!ンンンっ...」 一番気持ちのいい場所を握り込めば一瞬で果てを見て、目の前でチカチカする目をゆっくりと閉じた。 手にベッタリと着いた精液を、ペーパーで拭いて、だらりと脱力。 後ろを触らなければイきにくいが、溜まれば別だ。 ただ、自分で出す虚しさと寂しさ、そして、後ろでしか得られない気持ち良さは感じないから、本当に事務的な排泄でしかない。 「はーっ、虚しー」 佐久間が、どれだけオレを雌として仕込んだか...それに今オレは凄まじい後悔を感じている。 身体を開かなければ、このれ以上の快楽があると、知らずに済んだのだから。 とりあえず後片付けを終わらせてドア開いたら... 「うおっ!?なにやってんのお前!」 ドアの横に、クロが座り込んでた...ビビった。 ジトッ...と、面白くなさそうな顔で見られて、オレもちょっと居心地悪い。 本当に、コイツは何者なんだろう。 足は随分と良くなったみたいだけど、まだ足に付けた金具は外れてないし、治るまでは置いてやるとは言ったが、コイツはオレに物珍しさの疑似恋愛でもしてんだろう。 「なんだよ」 トイレから出ると、クロは立つ気配も無く立膝の上に両手を投げ出して、頭を両腕の中に収めた。 「俺が抜きたかった...」 下を向いた、クロのくぐもった声が耳に届く。 「...あー、あれから触って来ないから、飽きたんだなと思ってた」 ははっ、と軽く笑いながらオレはベットに横になった。 「触りたい...でも、りおは触ると悲しそうになる」 くそっ、良く見てんな...。 その言葉にオレは返事を返せなかった。 暫くはクロがそこでうずくまったままだったが、数時間で普通に戻ったので、オレは気にしないようにして明日のシフトを考えて深くため息を吐いた。 あれ以来、初のシフト被り。 オレは堪えられるんだろうか...そしてどうなるのか、正直わからない。 オレは...佐久間にまた愛されたいとは思ってない。 もうすぐ子供も生まれるアイツと、付き合って行くなんて、出来ない。 でもオレの身体はアイツを刻み込んでる。 やっぱり、身体が求めるのだから、オレはその欲に耐えなければならない。 「クロ、まだ外に出れねぇの?」 「ん?いや、明日医者行く」 ソファーでオレのパソコンを容赦なくいじり倒してるクロの答えにオレもそうかと返した。

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