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第38話

結局告訴するかは、もう少し調べるからそれまでに検討して置いてと言われ、警察官は帰って行った。 「りお...」 ドアの隙間から、クロが心配そうに覗いてたから手招きして室内へと呼び込んだ。 結局警官にも聞けなかった、あの後...の出来事の全容をクロに聞いたのだ。 ──────────── 遡る事数時間前。 オレの家に一人で居たクロは、けたたましく叩かれるドアの音に、首を傾げていた。 女の声で開けろと何度も言うもんだから、クロ的にはゲイだと告白したのにも関わらずオレの女が来たのではないかとまで思ったそうだ。 オレの居ない場所でのトラブルは避けたいと、開けずにいたが女は尚もドアを叩く。 「中に居るのは、松に聞いてんの!ガキなのも知ってるから、あーけーてー!」 まるでホラー。 知らない女が、自分を知ってて挙句、普通じゃない怒鳴り声付き。 誰もが開けたくないはずだ。 だが 「松の尻が危ないんだって!」 尻と聞いて開けるクロもどうかと思うが、ドアの前でオレの尻が危ないと叫ぶ女も...危ない。 「松って、りおか?」 「そうよ!それ以外...っ!?なに、イケメン萌えるっ!!!」 鼻息荒く、玄関の中に入ってくる女にクロは変態だと思ったらしい。 「やだー浅黒いスポーツマンタイプの君と、色素薄い綺麗系イケメンの泣き黒子付き松っ...けっ、けしからん!もっとヤレ!」 何をだと...突っ込んだおバカなクロは暫くオレとクロの妄想を聞かされたらしい... マジで止めてくんないかな、夏樹は見た目はすげーキレイなんだから。 その語った妄想まで語りはじめたから、ソコは割愛してくれと頼み、やっと話が本流に辿り着いた。 「りおの、尻ってなんだ」 「言った通りよ!佐久間がなんかやらかしそうなの!」 「あの男は、りおに触れる資格はない」 いや、オレ免許なくても触れるから! 資格とか要らないから!免許皆伝とか無いからなっ!? それで二人でオレの職場へ乗り込んだ時はオレは佐久間にまさに、突っ込まれそうな瞬間だったらしい... バン!とけたたましくドアの音が響いて、佐久間が既に自分の化身を引き出しオレの尻には佐久間の指が埋まっていた場面を、夏樹に見られた...夏樹...見やがったなアイツ。 「佐久間のは愛のない行為よ!絶対許せないっ!」 そう言って、オレのそんな現場に出くわしたクロが固まってるうちに、夏樹のタイキックが決まったらしい。

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