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第39話

前のめりに、倒れ込む佐久間にクロが蹴りをお見舞いして見事に伸びたらしいが... 足にヒビ入ってんじゃねぇの!? そう、オレが言えばそんなの忘れるくらい腹が立ったそうだ。 オレ的には何だか複雑だよな。 確かにクロは好きだ...好みだし、でもオレはもう、ノンケになんて関わらない! それは、いくらクロでも...だ。 まぁ、それはいいさ。 そうこうしているうちに、警察が騒ぎを聞き付けて来てしまい、倒れてるオレ伸びてる佐久間に何があったかを聞かれ取り敢えず救急車で病院へと運ばれたそうだ。 「情ねぇな」 ほんとな。 何やってんだよオレ。 こんなにも佐久間に執着されるのは、当時では有り得なかった。 オレの方が何方かと言えばそばに居たくてくっ付いてた。 シたいと言われれば股を開き随分とアホな恋愛をしてたなと思った。 「クロ...足診て貰えよ?」 「解ってる」 解ってねえな、膨れてそっぽ向いてやがる。 「ね、ね、松の尻穴拡張したなら、クロとしちゃえば!?」 「黙れ、腐れ女」 オレは今心ズタボロなんだよ! なんてこと言うんだ、コイツは... 「松が冷たいなぁー...明日から私一人で開けなくちゃなのに」 あ!そうだ、オレ二日は検査入院... 「うわ、夏樹ごめん!」 「大丈夫、流石にこんな事件あったからか、人件を増やしてくれるって、管理者と先生2名」 「補充にしては多くないか?」 「だって変態バカ佐久間は、クビだもの」 わぁ...最悪の事態か。 って事は...まさか 「オレも?」 「松は、うちの責任者に昇格で、新人の管理者の面倒見て欲しいってさ。 んで、受け入れ人数増やす。 最近全く解ってない老人って少なくて...もう少し知識のある人を先輩にしたいんだって」 そうなんだ...てか、え!? 「なんでオレ昇格!?しかも責任者って」 「知らないけど、そう言う通達...まぁ、新しい先生と、松の恋愛見るのも悪くないけど」 楽しそうに笑う夏樹の頭をぐしゃぐしゃとクロが掻き混ぜた。 夏樹...山姥《やまんば》見たいになってんぞ。 「ちょ、何すんのよ!無口イケメンのクソガキ!」 「変態女うるせぇ、りおは俺のだ」 なんか、トンデモ発言聞こえた。 幻聴じゃないのは、夏樹がハアハアしてるだけで理解できる。

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