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第41話
オレに触れるな。
「なぁ、りお...怖いか?」
お前なんか怖くねぇよ!
「なんか、話してくれ」
悲しそうな声色で言われればオレは答えてしまう...
「なんだよ!」
布団から顔を出して涙目のまま睨んだらクロの手がオレの頬を撫でた。
「遅くなって悪かった」
そう言いながら、オレの目尻の溜まった涙を拭って行く。
「アイツのせいで泣いてた訳じゃねぇよ」
愛情を欲しがるオレに嫌気がさしただけだからな。
「なら、俺のせいだ」
クロは関係ない、なんでお前が背負うのだと苛立った。
「意味わかんねぇし」
そう言ったら、急にいつもより低い声が響いた。
「りお、俺は」
脈が早まり、この続きの言葉にオレは気付いてる。
言わせてはいけないと、慌てて口を開こうとしたら...
「むぐっ...」
大きな手で遮られた。
口を塞ぐなど、巫山戯 るなと叱りたいのに、クロは悲しそうに笑ってオレを見てたから抗う気持ちもどこかへ行ってしまった。
『りお、とてもりおが好きだ』
あぁ、言われてしまった。
ばかだなこんな節操なしのオレで、こんなにもひねくれてるオレを相手にわざわざ傷を付けに来るなんて。
「んーっ!んんんっ!!」
クロが口を塞いでて、何も答えられないと手を外そうとしたら、クロはふるふると左右に首を降る。
なんだよ、答えが欲しいんじゃねぇの?
「今はいい、答えなんか欲しいんじゃないから」
だったら何なんだよ!
そう答えたくても口は開かせてもらえなかった。
「約束は、守れ、俺のいる間は...俺がりおを気持ち良くする」
オレは、鼻から息を盛大に抜いてコクコクと首を上下させたら、やっとクロの手が口から離れていった。
暖かいクロの手が離れて口元が急に寂しさを感じたが、オレは気付かぬ振りでクロを見た。
クビだけ他に向けて、浅黒く焼けた肌が耳まで赤く染めていた。
その姿に少なからず胸がキュッと締め付けられた。
「俺今日は帰る。明日また来る」
そう言って足速に部屋から去って行った。
「バカだな、クロ...」
わざわざ未成年でオレの所に堕ちてくるなんて...オレはそもそもにゲイを自覚したのが遅かった。
高校生迄は恋愛すらめんどくさくて、クロの年頃で、周りは彼女がどうのと花咲く中置いていかれたようで、丁度タイミングよくそう言う店に友達とふざけて入って...
役立たずな自分を知った。
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