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第51話
オレはまだ、全裸のままでベットに座りクロを見上げて、クロもまたオレを高い位置から見下ろしていた。
「りお、好きだ...」
「や、やだ...なんで、んな事」
「好きだから、そう伝えてる」
「オレ、スケベでだらしねぇし、男漁りして生きてる、ゲイだそ?」
その言葉の応酬に、胸は期待と不安で揺れ動いた。
身体の疼きなんか忘れるほど、フワフワと何かに包まれたような感覚に泣きたくなる。
「りお、りおがエロくない方が変だ」
「なっ、クロっ?」
「俺には、りおしかいない...」
たった数日、傍にいたクロがなぜオレなんだと思う。
「だから、お前は普通の女と「いい加減認めろ」
クロに言葉をかぶされ、オレはクロの大きな手に腕を捕まれ、身体が驚きで硬直する。
「りお、俺はここだ、あの男でも無ければ、野外でりおを犯す人間でもない。
いい加減、俺を認めろ、確かにガキだけと俺はガキなりにりおを好きだ」
「っ...」
言葉が...出せなくなった。
クロの迫力に気押されたのだ。
「認めてる...けど、認めたく、ねぇんだよ!お前に依存して!ガキ相手に何やってんだって、それなら、外で抱かれる方が数倍気は楽だよっ!」
「なら、楽な道に逃げるな...りお、俺は逃げないから」
一番恐れていた...逃げられる事。
それを見抜いたかのような言葉にオレは胸を震わせた。
クソっ、クロの方が何倍も男らしいな...。
「俺はりおに勃つだろ?欲しくて、無理にしようと思う程はりおが欲しくて堪んない...俺のでりおが満足すんのか、そんな事気にしてんだぞ?今更、りおが離れるなんて許さない」
オレの肩に、後ろにあった毛布掛けながらなんか恐ろしい事言ってますよ...。
「クロ...それちょっと怖いぞ」
オレはもう逃げ道はない。
こいつに捕まったんだ...
「わかってるよ、それ位...好きだって解れ」
泣きそうな顔で、そう告げられた。
クロにそんな顔をさせられる自分だったり、欲情を誘う自分だったり...
思いは素直に嬉しいよ。
「クロ...ありがと」
「好きだ」
真っ直ぐに、黒味の強い視線がオレを射抜いてるのさえ心地いい。
「わかってる」
「好き...」
オレは、思わず笑顔で答えた。
「ん、嬉しいよ、クロ」
そう、オレはクロに好かれて嬉しいんだ。
でもクロを好きだと告げれるほど気持ちは育ってない。
揺れてるし、気になるし...それだけで十分なのかも知れないが。
オレを抱き締めて来たクロの背に手を回した。
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