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第69話
クロさんが、非常に眉間のシワを深くして獲物を逃すまいと抑え込まれた...怖い。
「誰が逃がすか...せっかく、りおと初めて二人でするんだ、今日は引かない」
いや、この間も二人で...っても惰性だったしな。
「...クロ、だったら普通に抱けばいいだろ、何小賢しい真似してんだよ。
受け売りで潮吹くやら、メンソール入のゴムやら使わなくても充分、クロのコレで...オレは感じるんだよ」
そう言ってオレは〝クロたん〟を撫でる。
クロではなく〝クロたん〟だ!
「りお、抱きたい」
「こんだけ、張ってて...それ以外の言葉吐いたら、潰してやるかんな」
そう言ってオレはクロを引き寄せた。
Tシャツを着ていたクロの裾を引いて上へと引けばクロも自然とシャツを脱ぐ体勢になる。
「あとは自分で脱げよ」
途中まで脱がしたがやっぱ恥ずかしさに負けた。
オレのりおたんが、単純なんだが...どうするべきか。
クロの裸見たら〝おっき〟した。
クソ、いい身体してるから悪ぃんだ!
「りお...」
オレを呼んで、上に被さって来たからオレは両手でクロの厚い身体を包み込んだ。
人肌が、凄く心地よくて...クロは、オレの顔中にキスを繰り返してる。
「はっ...」
堪らず漏れた呼吸、それに重ねる様にクロもはぁ...と、息を吐いてオレの首筋に舌を滑らせる。
「りお、肌が、すげー気持ちいい...」
「んっ...オレも」
ただ、肌が重なりキスが繰り返されるだけでも外でする行為とは全く違う。
ホテルでする時も、オレはすぐに解されて、繋がる事が最優先で、こんなに触れ合う事はほとんど無かった。
何だかんだで...この触れ合いを失う時が来るのは、胸が締め付けられる。
「なぁ、りお...すね毛何でねえの?」
足をスリッと、クロの足で擦られた。
「...い、今どきはやりの永久脱毛」
そう伝えたら、さらにスリスリ。
「うちのかーちゃん、俺のすね毛むしり取りやがって、俺も少ないけどりおはつんつるてんだな」
クスクス笑いながら、オレはクロ、クロはオレを触りあいながら話を進める。
「お前のかぁちゃん、すげー事するんだな」
クロの重みに、安心感を覚えて、きっとこの触れ合いはもう時期終わるのだと思うと胸がチクリと痛む。
「ガムテでやられた時は、悲鳴あげた...」
「ははっ、鬼だな」
うん、と言いながらオレの首に吸い付いてくる。
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