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第91話

夏樹と二人でしょんぼりしながら、階段を降りると、目の前にはクロのチームのユニの人が二人立ってて、とりあえず避けて通るのに二人で横にずれた。 けど、降り切る時にはまた前にいて、オレはじろりと睨んだ。 「鏑木が失礼な事してすみません。まさか鏑木があんな行動に出ると思わなくて...」 と、まぁ、謝罪って奴だよ。 「別にいいです、帰るんで通りたいんですけど」 そう伝えたら、少しクロに会わないかと聞かれた。 「なんで?」 「りお、さんですよね?」 と、夏樹を見てた...あーね、うん。 夏樹とオレは目を合わせると夏樹がニヤリと凄まじい顔で笑った。 怖い。 「はい、そうですよ」 オイオイ、勘違いで通す気か? 「少し来てくれませんか?鏑木が会いたがってます 」 その言葉に、泣きそうになった。 ホントにここまで感情が起伏することになるとは。 二人揃って、ロッカールームに通されて、オレと夏樹はカチカチに固まってた。 何せ、あちこちテレビで見る顔が普通に通過してくんだぞ? そりゃーこっちは固まるだろ? 横で鼻息荒いのは違う意味みたいだけどな。 『ちょっと松!』 すげー小声で、オレは耳を傾けた。 とりあえず、一応聴いておこう。 『...なんだよ』 既に鼻息ヤベぇ。 ふんふんしながら話し掛けるから耳に息がっ! 『男臭くて、辛抱たまらん!』 夏樹さん...あんた、どんだけ親父化してんだよ。 それに返事を返す前に、オレと夏樹の間を水色の、クリップボードが遮って立てられた。 なんだよ?と、見たら... 超不機嫌なクロ。 「...久しぶりに会ってその態度なくね?」 オレが言えば、クロはジッとオレを見ていきなり頭を鷲掴み... なにすんの!? 「りお、りおだ...」 そりゃ、オレだろ...オレも胸の奥ではクロだと思ってるのにやっぱり出る言葉は... 「オレ以外がこんなとこに居るかよ。てか、夏樹はオレとお前合わせる為にあの席取ってくれたんだからな!」 「...いちゃつき過ぎだ」 は!?どこがいちゃついてんだよ! 「クロちゃん妬いたのー?」 夏樹が前のめりに、クロに食いつく。

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